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歯科金属アレルギーについて

一般的に金属アレルギーといえば、ピアス・ネックレス・眼鏡フレームなどの金属に触れている部分が、赤く腫れたり、かゆくなったりすることを思い浮かべる事が多いかと思います。これらは「アレルギー性接触皮膚炎」として分類され、このようなアレルギーでは、原因となる金属が直接接触している皮膚に発症することが多いので、その原因を見つけることは比較的容易です。

しかし、歯科金属アレルギーは一般的な金属アレルギーとは異なり、原因となる金属が直接接触している口腔内の粘膜などに発症することはあまりありません。歯科金属アレルギーにより引き起こされる疾患数は、アトピー性皮膚炎が67.5%と圧倒的に多く、次いで掌蹠膿疱症9.4%、湿疹85%の順となっています。

次に歯科金属アレルギーの診断、判定について述べていきます。判定条件①皮膚科医師による治療を1か月以上うけても症状が改善しない。②パッチテスト・リンパ球幼若化試験で陽性を示した金属を除去した後、症状の改善が認められた。③症状の改善が、ステロイドや免疫抑制剤を使用することなく1年以上継続している。以上の判定条件①②③を全て満たすことは高い精度で歯科金属アレルギーである、と言えます。

皮膚科による金属アレルギーのパッチテストで陽性の診断を受けて、なかなか皮膚の症状が改善せず、口腔内に銀歯が入っている方は、歯科医院で相談されることもお勧めいたします。