CAD/CAM冠の検証 今後の展望
2014年よりCAD/CAM冠が保健適用になり、まもなく8年が経とうとしております。歯科医院でCAD冠を扱うには、管轄の厚生支局に施設基準の届け出が必要となります。当院では2014年に届け出してますが、全国での届出施設数の状況を見てみますと年々増加しております。2017月9月には44000件くらいだったのに2019年9月には51000件を超え、75%の歯科診療所が届出済という事がわかりました。
それに伴い、CAD冠作製ブロックの出荷数も20~30%くらい増えていっているようです。ある大学の調査によりますと、同じ期間においてFMC(金属の被せ物)の再製率は2.25%であったのに対して、CAD冠の再製率は1.69%と低く安定して良い物を提供できていると言えそうです。CAD冠装着に対する患者様評価は極めて高く、違う大学での調査にはなりますが98.9%が満足しているという回答があったようです。
当院でも長い間使用してみて、一つ欠点をあげるとしたら金属やセラミックに比べて接着力がやや弱く、歯軋りやブラキシズムのある方は時々脱離をする事があるという点です。それでもほとんど破損する事なく、歯軋りの噛み合わせ調整をして再装着するとそのまま使えます。患者様の大臼歯や前歯にCAD冠を入れる際、以前のものより自然に近いきれいな物になって喜んでもらえてるだろうという実感はしています。保険適用の金属(パラジウム)の高騰により銀歯の点数も上がり、ますますCAD冠の需要が増えていく事が予想されます。