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歯周病と全身疾患の関連性

歯周病と全身疾患との関係について、この数十年で多くの研究が進んでいます。現在、関連性が指摘されている主な疾患について述べていきます。

アルツハイマー型認知症、糖尿病、心血管疾患、誤嚥性肺炎、非アルコール性脂肪性肝炎、関節リウマチ、肥満 メタボリックシンドローム、早産 低体重児出産、などの関連性を指摘されています。

歯周病菌や歯周病で作られる炎症性物質が体内に侵入する経路について様々な研究がなされており、3つの仮説が議論されています。

①歯周病菌が血液を介して全身に広がる

歯周病の進行で歯周組織が破壊され出血した状態では、歯周病菌が血管を通して心臓や脳など全身に運ばれます。これに反応して血管内で慢性的に過剰な生体防御反応が起こり、血管そのものや様々な身体の機能に悪影響を及ぼすと考えられています。

②炎症性物質が血液を介して全身に広がる

歯周病に侵され炎症が起こった歯周組織では、炎症性サイトカインと呼ばれる物質が過剰に産生されます。この物質が血液を介して血管や脂肪組織、肝臓などに炎症を起こすと考えられています。炎症性サイトカインには多くの種類がありますが、中でも「TNF-α」は血糖値を下げる作用を持つホルモンであるインスリンの働きを弱めることが知られており、歯周病と糖尿病の関連性を示す根拠として注目されています。

③口から飲み込まれた歯周病菌が、腸内細菌環境に影響を及ぼす

歯周病が進行すると、増殖した歯周病菌を唾液や食物などと一緒に毎日大量に飲み込む事になります。その影響で腸内細菌のバランスが崩れる事により、腸管の病原体侵入を防ぐバリア機能が低下するなどして、全身の健康に悪影響を及ぼすと考えられています。

今後さらに歯周病と全身の健康との関連性についての研究が進み、発症や増悪に関するメカニズムが解明される事が期待されます。

まずは、歯周病の予防をする事 しっかり治療を行いましょう。その結果として全身の健康状態にも反映されていく事が期待できると思われます。