オーラルフレイルについて (食べにくい むせる 口が渇く)
近年、高齢になっても元気でいるためには、口の健康が重要であるという認識が歯科だけで無く医科にも広がってきています。
その中で注目されているのが オーラルフレイル です。オーラルは「口の」、フレイルは「虚弱」を現す英語で、「口の機能が弱っている」状態のことをいいます。
歯が弱くなれば、食べる量食べられる食品が減り栄養が不足します。ただ咀嚼や嚥下(飲み込む)するために口を動かすのは筋肉。口の周りや舌などの筋力が低下してしまうことも、食べる力を弱くする一因です。そのため、歯だけでなく、周囲の筋肉を含む口の健康が重要になります。また、口の筋力の低下により、うまく話せなくなる事もあります。話せなくなると口数が減って人と会うのも避けるようになり引きこもるようになると、一気に老化が進んでいきます。
オーラルフレイルを放っておくと、心身も弱っていきます。口だけで無く全身が虚弱になった状態は、オーラルが取れて「フレイル」といいます。フレイルの状態になると免疫機能も低下するため、ちょっとした感染症が重症化したり、うまく歩けずに転倒して骨折し、そのまま寝たきりになってしまうなど、要介護状態に近づいてしまいます。
フレイルは弱ってきてはいますが、まだ病気にはなっていない未病の状態です。ですから自分の努力次第で脱フレイルすることができます。
しかしながら一度低下してしまった機能を回復させるのは簡単ではありません。ですから、フレイルよりはオーラルフレイルの状態で、さらに言うならオーラルフレイルになる前の段階で予防していくのが理想的です。
オーラルフレイルの症状には、食べこぼし・歯周病・誤嚥性肺炎・飲み込みにくい・食欲不振・口が渇く・むせる・噛めないなどがあります。
当てはまるものがあれば、オーラルフレイルの可能性があります。かかりつけの歯科があれば、まずは相談する事をお勧めします。オーラルフレイルになっている場合、歯や歯肉などにも問題が起こっているケースが多いので、それをしっかり治療する事も大切です。