指しゃぶりは、いつまで大丈夫?
子供の指しゃぶりは年齢によって意味が異なります。低年齢の時はあまり気にすることはありませんが、4〜5歳から小学生になっての指しゃぶりになると、単なるくせだけではなく心理的な問題、発達上の問題などが関係することもあり、放置するわけにいかないこともあります。年代別の指しゃぶりについて述べていきます。
1歳児の指しゃぶり この時期の指しゃぶりは生理的なもので悪いことではありません。あまり神経質にならずにお子様とのふれあいを大切にしてください。ちょっと緊張した時などに本能的に安心するため指をしゃぶることが多いようです。
2~3歳児の指しゃぶり 昼間はしなくなっても、寝る時になると指がお口にいっているという場合が見られます。心理的に落ち着きたい時に多いようです。さみしい時、不安な時指しゃぶりしながら精神を安定させています。影響として上の前歯を押し出す事がありますが、指しゃぶりをやめれば元に戻りますのでそう心配はいりません。やめさせようと注意したり叱ったりする必要はありません。
4~5歳児の指しゃぶり そろそろやめさせたいものです。悪影響として、歯並びだけでなく噛み合わせも悪くなり、発音もしにくくなり、また唇を閉じにくくなりがちです。何かのストレスが原因とも考えられます。十分な愛情や安心感、ふれあいを大切にしてあげてください。日常生活に変化をもたせて人との関係や遊びに自信を持たせてあげてください。指に刺激物を塗ったり叱ってやめさせるのは逆効果です。理由を理解させて自分でやめたいと思わせる事が大切です。
小学生以上の指しゃぶり 心の問題が関わっていると思われます。家庭や学校といった生活環境に適応できなかったり、人との関係や自分の行動に自信が持てないため孤独感を感じ、指しゃぶりでなぐさめているのかもしれません。両親が過保護であったり、逆に厳しすぎても原因となる事もあるようです。悪影響としては、前歯が永久歯に代わって噛み合わなくなり、上唇の動きも悪くなり、発音や飲み込みも不自然になっていきやすいです。この時期になると、指しゃぶりだけをやめさせようとしても効果は上がりません。精神的、肉体的にバランスのとれた発達を手助けすることが基本と考えてください。失敗をおそれず生き生きと活発に動き回るお子さんでいられるように、あまり干渉しすぎお子さんを信頼して見守ってあげる態度も必要かもしれません。
当院では、混合歯列期(乳歯と永久歯が混在している時期)に指しゃぶりがやめられないお子さんには、マルチファミリーというマウスピース型の矯正器具を使ってもらう事もあります。マルチファミリーは、指しゃぶりだけでなく、嚥下障害、舌突出、呼吸障害、軽度の叢生などの是正も促します。気になる事がありましたら、相談だけでも構いませんのでお気楽に連絡してください。